無為庵

読書メモ、アイデアの蔵。

大航海時代の覇者

 

大航海時代の勝者

大航海時代の覇権は次のように推移していった。

もう少し具体的に見てみよう。

 

大航海時代の先駆け――スペイン・ポルトガル

スペインのコロンブスが新大陸を発見(1492)する一方、ポルトガルのバスコ=ダ=ガマがインドに到達(1498)する。新大陸発見は世界に衝撃を与え、スペインは南米の植民地支配、ポルトガルは東南アジア方面の中継貿易で富を得る

 

②オランダ 「栄光の17世紀」

ポルトガルと連合して「太陽の沈まぬ帝国」となったスペインは、新教と旧教の対立に起因する「オランダ独立戦争」(1568~1609)や「アマルダ海戦」(1588)によって斜陽に立つ

その結果、独立後、中継貿易を国家の一大事業として力を入れたオランダが世界貿易の覇権を握ることとなる。特に「香辛諸島」と言われたインドネシアを重視し、その玄関口であるジャカルタに拠点を建設して香辛料を独占した。当初は後進のイギリスを蹴落としてその地位を維持したが、17世紀後半、クロムウェルのときに起こったイギリス=オランダ戦争に敗れると、勢いを失った

 

③イギリスとフランスの植民地争奪戦

インドネシアへの進出を阻まれたイギリスは、インドに標的を定め、拠点を築いた。一方フランスもイギリスと競ってインドに拠点を築く。

この英仏の戦いは遠くアメリカでも繰り広げられた。即ち、植民地の奪い合いである。英仏は、スペイン継承戦争オーストリア継承戦争七年戦争といったヨーロッパの戦争で互いに敵同士として参戦する裏で、インドやアメリカでも争奪戦を繰り返していたのである。

これらの戦いを経て、イギリスの世界貿易における優位が確立された。これが後の「大英帝国」に繋がっていく。

 

大航海時代の闇

ヨーロッパ諸国によって、欧州と新大陸が繋がり、世界の一体化が進んだ大航海時代。これまで見てきた通り、それは決して平和的なものではなかった。欧州・アフリカ・新大陸の貿易関係、即ち三角貿易にはそれが如実に表れている。

  • 欧州→アフリカ:武器の輸出
  • アフリカ→新大陸:「黒い積み荷」の輸出
  • 新大陸→欧州:「白い積み荷」・銀・タバコなどの輸出

まず、ヨーロッパからアフリカに武器が輸出される。その武器は現地のアフリカ人部族に渡され、対立するアフリカ人を攻撃して"奴隷狩り"をさせた

続いて、「黒い積み荷」、即ち"奴隷狩り"で獲得した黒人奴隷が新大陸に輸出される。彼らは、すし詰め状態で何カ月もの間、船に揺られる。無論疾病が発生するが、死んだら海に投げ捨てられた。そして、新大陸に着けば、銀山やサトウキビ・綿花・タバコの農作業に酷使されたのである。

で、奴隷を酷使することで得られた銀や綿花、タバコなどはヨーロッパに輸出される。特にサトウキビは「白い積み荷」と呼ばれ、高価で取引された。

 

このように、大航海時代を通じた「世界の一体化」やヨーロッパ諸国の繁栄の陰には、アフリカや新大陸の先住民に対する奴隷的使役・搾取といった闇が広がっていたのである。

 

参考

山崎圭一(2018)『一度読んだら忘れない世界史の教科書』SBクリエイティブ

東京法令出版 教育事業推進部(2019)『歴史風景館 世界史のミュージアム』 東京法令出版

・世界史の窓