無為庵

読書メモ、アイデアの蔵。

19世紀のイギリス——ヴィクトリア時代

 

"改革"のイギリス

大陸ヨーロッパでは、18世紀末~19世紀にかけてフランス革命やそれに続く七月革命二月革命に触発され、革命や反乱が相次いだ。

その一方、イギリスでは武力による"反乱"ではなく、議会を通じた"改革"で自由や権利が拡大されていった議会の決定は王権に優越するという伝統が、ここでも発露されたと言える。

 

そんなイギリスは、19世紀のヴィクトリア女王(位1837~1901)のときに最盛期を迎える。その治世は、イギリスの繁栄を示す「パクス=ブリタニカ」と時を同じくしているので、「ヴィクトリア時代」とも呼ばれる。

 

ヴィクトリア時代の内政

では、ヴィクトリア時代はどのような時代だったのか。

まず、国内では工業労働者から農民、鉱山労働者へと少しずつ選挙権が拡大された。第1回選挙法改正(1832)では全国民の内4%ほどだったが、第3回(1884)では男性労働者のほとんどが選挙権をもち、全国民の19%にまで上昇したのである。

また、1868年に自由党(旧トーリー党)のグラッドストン内閣が成立した後、1874年には保守党(旧ホイッグ党)のディズレーリ内閣が発足するという具合に、自由党と保守党が頻繁に政権交代する二大政党制が確立された

 

ヴィクトリア時代の外交

他方、対外的にはスエズ運河に加え、カナダやインド、エジプトを手中に収めた一方で、3つの戦争にも勝利して利権を広げた。

 

アヘン戦争

まず、アヘン戦争(1840~42)。これは、麻薬の一種である「アヘン」の貿易を巡って英国と中国(清朝)との間に勃発した戦争である。

イギリスでは18世紀後半には中国産の紅茶を飲む文化が根づき、輸入過多で貿易赤字を抱えていた。他方、中国ではアヘンをパイプで喫煙する習慣があった。そこで、イギリスは植民地であるインド産のアヘンを中国に密輸し、支出を相殺しようとした。

すると、アヘンの流入が増えた中国では、経済的な困窮や風紀の乱れが問題になり、林則徐に状況の収拾を命じた。それで、林則徐は大量のアヘンを廃棄させた上、イギリス商人を追放したのである。

これに対しイギリスでは、議会で開戦の是非が問われ、僅差で開戦が決議された。戦争はイギリスの勝利に終わり、中国は南京条約で賠償金の支払いや香港の割譲などを認めた。

 

クリミア戦争

次のクリミア戦争(1853)は、ロシアの南下に対して英・仏・トルコ・サルデーニャ王国が対抗した戦争である。この戦争のとき、英国の看護師・ナイチンゲールは看護師団を率いて傷病者の手当にあたり、"クリミアの天使"と呼ばれた。

 

アロー戦争

最後に、アロー戦争(1856)。これは、「第二次アヘン戦争」とも呼ばれている。

というのは、この戦争の背景には、中国との貿易による利益を増やしたいというイギリスの思惑が透けて見えるのである。

中国は南京条約でイギリスに上海などを開港したが、イギリス側は貿易が自由でないことや利益の伸び悩みに苦慮していた。そのようなときに、英国船「アロー号」の船員が、清朝の兵士に逮捕される事件が起こる。そこでイギリスは、「渡りに舟」とばかりに中国に対して開戦を決定。折しもフランス人宣教師が殺される事件も起きていたので、英仏は共同して出兵した。

その結果、敗れた中国はイギリスやフランスに対し、天津条約、次いで北京条約を締結した。

 

~参考~

山崎圭一(2018)『一度読んだら忘れない世界史の教科書』SBクリエイティブ

東京法令出版 教育事業推進部(2019)『歴史風景館 世界史のミュージアム』 東京法令出版

・世界史の窓 https://www.y-history.net/appendix/wh1303-045.html 

       https://www.y-history.net/appendix/wh1303-050.html

 

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%98%E3%83%B3%E6%88%A6%E4%BA%89-27018 

https://kotobank.jp/word/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%AB-107370#E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.E3.83.9E.E3.82.A4.E3.83.9A.E3.83.87.E3.82.A3.E3.82.A2

https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%BC%E6%88%A6%E4%BA%89-28932 

 

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