無為庵

読書メモ、アイデアの蔵。

後遺症

今日は過去の後遺症を自覚させられた一日だった。

 

それは、職場での出来事だった。

といっても、書類を渡した際、もっと揃えて渡すよう言われただけだったのだが、妙な不安に襲われたのである。普段ほとんど怒らない人だから、いつもとは違う低い声音で言われたことに驚いたのかもしれない。しかし、正直言ってヨレヨレの書類の角が揃っているかどうかなど、些事の中の些事だろう。別に相手がそれを根に持つようなことなどほぼ考えられないのに、妙に「良くないことをしてしまった」という思いを引きずってしまった。

 

どうしてだろうか、と色々考えてみて思い至ったのは、「信頼している相手に捨てられるのではないか」という恐怖だった。物心つく前から父親の恐喝と暴力を以て育てられ、その機嫌を損ねて「お前など要らない。出ていけ」と本当に家を追い出された経験に事欠かない私にとっては、慣れ親しんだ思考の癖だ。独力で生きていく力のない子どもにとって、保護者に捨てられるのは大きな恐怖だからな。必死だった訳だ。

 

勿論、今や自我境界が完成したおじさんにとって、他人の信頼を損っても生きていける訳だが・・・うむ、まだ過去の後遺症に悩まされているということじゃなこれは。嗚呼、その正体も原因も判っているのに、まだまだ治りそうにはない。

マイナスを零にするような努力ではなく、零をプラスにするような努力をしたいものだ。